豊かな知見を持つデータセンターの専門家による安全で最適な業務進行へのアドバイス
2020.06.02更新
新型コロナウイルスの渦中でミッションクリティカルなデータセンターを守るには?Uptime Instituteからの提言
新型コロナウイルスの大流行がもたらす未曾有の課題に対応するため、ITインフラストラクチャのアドバイザリーグループであるUptime Institute はデータセンターの専門家、ユーザー、運営者からなるワーキンググループを立ち上げ、このウイルスが企業の主要業務にもたらす影響を軽減するために情報収集やアドバイスを行なっています。
収集された情報は「新型コロナウイルス:重要施設のリスクを最小化するには」と題したレポートで公開されています。このレポートでは、業務における抜本的な対策やアドバイスに加え、戦略的観点でどこから総合的に業務の見直しを始めるべきかを提言しています。いくつか重要なポイントをご紹介しましょう。
抜本的対策
ワーキンググループの提案には、衛生・隔離から感染の経路やウイルスの移動の評価まで、これまで受け継がれてきた知恵が盛り込まれています。さらに、既存のセキュリティ対策を拡大する方法も提案しています。
- スタッフのローテーション:十分なスタッフを確保できている場合、任意で隔離を実施するよう提案しています。複数人が携わるミッションクリティカルな業務については、1ヶ所に配置するのは1人まで、その他の要員は自宅待機とし、1ヶ月に2度 交代することを推奨しています。
- テレワーク:スタッフのローテーションを実施する場合、テレワークを取り入れることが最も大切です。組織の規模によっては、1つのチームが拠点作業でそれ以外のチームはテレワーク、そして2週間ごとに拠点作業のチームを交代するというローテーションが考えられます。
- 人が触れる場所に注意:セキュリティが特に重視される場合には、必要なセキュリティレベルを満たす別の方法を検討するよう推奨しています。人が触れる箇所は、1人が入場するたびに除菌作業が必要となるからです。
- 来訪者すべてに事前承認を義務付ける:基本的なスクリーニング手段として、施設に入場する人全員に検温を義務付けましょう。
- 現地入場前に検温:基本的なスクリーニング手段として、施設に入場する人全員に検温を義務付けましょう。
業務に関するアドバイス
現在の特殊な環境を考えると、テレワークの方法やスタッフのレベルを徹底的に見直し、必要に応じて調整して主要業務すべてを安全に行えるようにする必要があります。
- 業務の実施状況(100%、80%等)により、最小限必要な人数を決めましょう。
- 可能な業務やサービスはリモート対応に移行しましょう。
- クラウドコンピューティングの機能をフル活用しましょう。
- 業務継続性の観点から、ベンダーとの契約を再確認しましょう。
先送りする
しばらく保留にできそうな計画やプロジェクトを洗い出すことも不可欠です。
産業界全体が守りモードに入っています。有望な中長期的計画やプロジェクト、人が直接関与しなければならないテクノロジーは、一時的に保留すべきかもしれません。
- 進捗させるために、常に現場に人が必要なプロジェクト
- 基本的な業務手順を超えて、新しい作業プロセスや人員配置が必要となるプロジェクト
- 不急なソフトウェアの問題への細かい対応
- 既存のセキュリティ関連インフラストラクチャの改修計画について、短期間で完了できるか確認しましょう
Uptime Instituteは、レポートの内容を補足する貴重な情報が得られるウェビナーも開催しています。